2025年3月に策定された「世田谷区困難な問題を抱える女性への支援施策に関する基本的な方針」では、若年女性と中高年シングル女性に焦点を当てて具体的な支援策が検討された一方、女性たちの中にある多様性への視点が十分に反映されたとは言えません。特に、基本方針の検討過程で、庁内8課6事業所から寄せられた49の支援事例分析では、セクシュアリティに関わる事例は挙げられず、性的マイノリティ女性が抱える困難は依然見過ごされたままとなっています。国の基本方針や東京都基本計画においても、性的マイノリティ女性への言及は最低限に留まっており、具体施策に至っていない現状がある今、性的マイノリティの権利保障に先進的に取り組んできた世田谷区が議論をリードすべきです。

区からは「当事者の声を受けとめながら、令和9年3月末策定予定の第三次男女共同参画プランに内包する、女性支援新法の基本計画に活かしていく」との前向きな答弁を得ました。