過去の議会での質問実績

社会に根強く残るジェンダーギャップを解消するためには、実態把握のための正しいデータ分析と活用が不可欠。全庁に改善を求めました【2025年 予算特別委員会】

これまで、世田谷区基本計画策定時をはじめ、様々な分野でジェンダー主流化の実践を求めてきました。しかし、個別施策や事業において男女別に集計されたデータの有無を照会するたび、①多様性への配慮から性別情報をとっていない、②性別情報はあるが集計していない、③集計はしているが分析や活用ができていない、という状況に直面してきました。この原因を明らかにし、全庁的に改善を求めるべく、質疑に取り上げました。

世田谷区統計書とオープンデータカタログに掲載された統計における男女別表章を含む統計の割合を確認したところ、全体の約1~2割に留まり、社会福祉や区民生活等のジェンダー分析が必要と考えられる分野で、男女別に区分されたデータが全く無い現状が分かりました。この要因として、2003年頃からの公文書の「性別欄」削除の広がりに伴い、性別情報取得の目的や合理性が精査されることなく「原則性別欄は設けない」とする意識だけが区役所内に浸透していったことが明らかとなりました。しかし、依然として残るジェンダー不平等の実態を把握し、改善のための計画を立てるためには、データの力が不可欠です。区は、性別情報をどういう場合に取り、どういう場合に取らないのかという指針を明確にする必要があります。

それと同時に、「性別欄削除かジェンダー統計か」という安易な二項対立構造の議論にすり替えられてしまう危険性もありました。そうではなく、長年にわたって性の多様性を重視した区政運営をしてきた世田谷区だからこそ、これまで「男性・女性・その他」のように、さまざまな性的マイノリティが「その他」と一括りにされてきた現実も重く受け止め、より包摂的なジェンダー統計の取り方を真剣に考え、率先して提示していくべきではないでしょうか。基本計画に「ジェンダー主流化」を明記した区の責任としても、こうした各種対応に取り組むことを求め、いずれも前向きな答弁を得ました。

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