世田谷区では、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(女性支援法)をめぐる検討は、区民生活領域の「生活文化政策部人権・男女共同参画課」が事業所管となり、関係所管との調整等を行っています。しかし、実際の相談支援やソーシャルワークを行う女性相談支援員は各総合支所の「子ども家庭支援課」に配置されており、人権・男女共同参画課は「福祉の現場」を持っていないという現状がありました。この組織体制で区独自の女性支援にかかる基本方針を検討してよいのか、という課題意識から質問しました。組織を司る政策経営部をはじめ、区長・副区長にも現状の組織体制では対応が難しいとの認識を共有できたのではないかと考えています。
例えば国立市では、女性の人権擁護の観点から、2017年4月の組織改正で女性支援を政策経営部市長室に移管し、人権・ジェンダー平等と一体的に取り組める体制を構築しています。また、人権やジェンダー平等に関する所管について都内自治体に調査を行ったところ、人権施策の所管は23区の約9割、ジェンダー施策の所管は約8割が総務部又は企画部に配置されており、世田谷区のように区民生活領域に配置している区はごく少数であることが分かりました。人権・ジェンダー・女性支援に関わる事業は、政策経営部などの実行力を持つ部署をアサインできないか可能性を探ったところ、質問により、組織を握る政策企画課が「困難な問題を抱える女性への支援あり方検討会」に参加する運びとなりました。
しかし、2024年9月、人権・男女共同参画課及び各総合支所子ども家庭支援課が正式に女性支援の共同所管となったことで、当初期待していた政策経営部への移管という道はほぼ無くなりました。今後は、全庁で連携して推進していく重要性を共有し、実効性ある体制づくりを進めていきます。
































