生活者せたがや227号 読み上げ用テキスト版 【編集・発行】 2026年7月20日 生活者せたがや227号 世田谷・生活者ネットワーク代表/西崎光子 〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1-12-14 原ビル2階 TEL: 03-3420-0737 FAX: 03-3706-1744 https://setagaya.seikatsusha.me 生活者ネットワーク 世田谷区議会議員 おのみずき ==================== ギーンおのみは報告する 「政治ビギナーの1期目議員でも、これだけやれる!!Part 3 〜地方議員をもっと知る編〜」 ==================== 【はじめに】 こんにちは。世田谷区議会議員のおのみずきです。 2023年4月の選挙で初めて議会に送っていただき、4年間の任期も残すところあと1年を切りました。 区議会議員として日々活動をする中で、特に10代、20代の若い方々と話していると、「地方議員がどんなことをしているのか初めて知りました」という声をいただくことがとても多いです。まだまだ地方議会は多くの皆さんにとって遠い存在なのだと痛感しています。 そこで、このレポートでは、議員活動3年目の進捗を振り返りつつ、地方議員が議会の中で、あるいは議会の外で、どんな活動をしているのかをわかりやすくお伝えします。 政治は、「わたしたちが本当にほしい未来」をつくるための道具です。誰かにおまかせなんてもったいない。道具の使い方を知って、ここ世田谷から一緒に小さな変化を積み上げていきませんか。 ==================== プロフィール ==================== ・世田谷区議会議員(1期目) ・1992年生まれ、静岡県出身。世田谷区北烏山在住。 ・静岡県立韮山高等学校(高63回、陸上部・中長距離走) ・横浜国立大学・大学院(経済学修士) ・在学中、給付型奨学金を受け、パリ大学東クレテイユ校(Université Paris-Est Créteil)へ1年間の交換留学 ・大学院修了後、開発コンサルティング企業に新卒入社。コンサルタントとして気候変動対策分野の開発途上国支援に携わる。 ・2020年秋、会社を1年間休職してイギリスへ。現地で女性の権利やジェンダーをめぐる問題について知り、衝撃を受ける。 ・2021年秋、イギリスより帰国し、世田谷区に転入。足元から少しでも変えていきたいとの思いから、パリテ・アカデミー「女性政治リーダー・トレーニング合宿」の受講等を通じて、自ら政治の現場に飛び込むことを決意する。 ・2023年4月、女性たちの地域政党「生活者ネットワーク」より、世田谷区議会議員選挙に立候補。6,682票を獲得し、初当選を果たす。 ・2023年5月より、区議会議員として活動中。 趣味: 歴史散策、ミュージアムめぐり、筋トレ、ラオス、推し活(二次元) ==================== ギーンおのみは振り返る 3年間の活動実績 Quick Review 2023-2026 ==================== 区議選2023で掲げた政策の半数以上で、公約実現と着実な進展がありました。 ・82パーセント 選挙公約に掲げた22個の政策のうち、3年間の議会活動の中で取り組むことができた割合 ・273 各定例会での議会質問、および予算審議・決算審査の際に行った質疑の数 ・72 議会で提案して変わった実績の数 わたしが所属する「生活者ネットワーク世田谷区議団」は、2人だけの小さな会派(非交渉会派)です。4人以上の議員から構成される大会派(交渉会派)と比べると、会議での発言時間、意思決定の権限、得られる情報量など、かなり制限されています。 それでも、3年あれば、1期目の新人議員でもこれだけの活動ができます。 公式サイトでは、議会質問の内容や実現したことをより詳しく紹介しています。 ==================== 議会質問とは何か ==================== 議会で行う「質問」は、わからないことを聞くためのものではありません。 公の場で課題を提起し、行政側の姿勢や責任、方針を質し、引き出した答弁を議事録に残し、今後の制度変更の足場をつくるものです。 本会議では、会派を代表する代表質問や、議員個人による一般質問が行われます。委員会での質疑も含めて、「質問」は区政をチェックし、改善を促す重要な手段です。 ==================== 議会質問はどうやってつくるのか ==================== 区政相談を受け、当事者や関係団体と意見交換し、現場を見て、法制度や他自治体の事例を調べ、行政の現状を確認し、ようやく論点が見えてきます。 そのうえで、「何を問うのか」「どこを変えたいのか」を整理し、行政側と調整を重ね、質問原稿にしていきます。「質問」は、対話・調査・交渉の集大成といえます。 ==================== ギーンおのみは提案する 議会で提案して変わったこと ==================== 【1. 教育】 提案したこと: ・性教育を“ガチャ”にしない。公教育を担う区立学校で包括的性教育をすすめてほしい。 ・特別支援学級に通うこどもたちにも、特性に応じた性教育の保障をしてほしい。 実現したこと: ・全区立中学校30校での出張講座に加え、2026年度中に小学校高学年でのモデル授業が実施されることになった。 ・その検証と並行して、系統的な学びの保障を見据え、教育課程検討委員会で実施方法の検討が行われることになった。 ・区立男女共同参画センターらぷらすや都立特別支援学校との連携も視野に入れ、教員・支援員向け研修のあり方が検討されることになった。 ・発達段階や特性に応じた教材や指導方法の整理・充実についても検討が進められる予定。 今後のアクション: ・区教育委員会の姿勢は大きく転換した。次の課題は、教育課程の中での位置付けと、十分な授業時数の確保である。 ・海外視察の成果も活かし、引き続き取り組んでいく。 ・障害のあるこどもたちに向き合う先生や支援者、保護者も、性についてどう教えたらいいのか切実な悩みとニーズを抱えている。早急に検討から実施段階へ進むよう後押ししていく。 提案したこと: ジェンダー平等に関連する約2万3千冊の書籍等を所蔵する男女共同参画センターらぷらすと区立図書館の連携をすすめてほしい。 実現したこと: 2026年5月より、らぷらすで借りた図書を身近な区立図書館の窓口で返却できるようになった。 今後のアクション: 図書館連携では、事業や企画展示の協働実施、相互周知なども進む予定であり、さらに利便性が向上するよう改善を求めていく。 【2. 健康・福祉】 提案したこと: 月経を個人の問題から社会全体の課題へ。公共施設における生理用品の無料設置を拡充してほしい。 実現したこと: 区役所本庁舎、総合支所、まちづくりセンター、図書館、児童館など区民利用施設101施設の女性用トイレ・多機能トイレ等に生理用品が新規設置された。 区立小中学校では、2026年4月より、対象の全個室トイレと来賓・職員用トイレに設置し、誰でも気兼ねなく利用できるよう拡充された。 今後のアクション: 生理用品の無料設置については、全庁的な検討と環境整備が進んだ一方、安定調達や持続可能な公共サービスとしての仕組みづくりが今後の課題である。 提案したこと: 女性相談支援員を専門職として配置し、当事者中心の中長期的な支援に携われるようにしてほしい。 実現したこと: 各総合支所に配置された女性相談支援員のうち、会計年度任用職員を女性相談の専任とし、相談支援の体制強化が図られた。 今後のアクション: 女性相談支援員に限らず、非正規の公務員である会計年度任用職員をめぐる構造的課題が残っており、専門職に見合った処遇改善を求めていく。 【3. 防災】 提案したこと: 区が養成を進める「せたがや女性防災コーディネーター(JBC)」の活動の幅を広げ、防災分野の女性の参画を促進してほしい。 実現したこと: 2026年度より、「災害時トイレ確保・管理計画(仮称)」の検討委員会や、備蓄物資の見直し検討委員会に女性防災コーディネーターが参画することになった。 今後のアクション: 過去の震災等の教訓を活かし、これまで見落とされてきた多様なニーズが、計画だけでなく実際の対応にも反映されるよう、避難所運営に関わる人等への啓発に取り組んでいく。 【4. 街づくり】 提案したこと: 千歳烏山駅南側での市街地再開発事業を都市計画決定する前に、多様な住民が参画できる対話と熟議の場を設けてほしい。 実現したこと: 中長期的なまちづくりを考える「ちとからまちづくりフォーラム」の取組みと連動し、南側地権者だけでなく誰でも参加できる「情報交換会」の場が設けられ、継続的に実施されている。 今後のアクション: 昨今の国際情勢を見ても計画の見直しは必至である。情報交換会が、代替案の可能性も含め、多様な住民が熟議を重ね、本当に望む未来を選択できる場となるよう求めていく。 【5. 気候危機】 提案したこと: 猛暑や大雨など、年々深刻化する気候変動による悪影響や被害から、暮らしや命を守る「適応策」の全庁的な推進を行ってほしい。 実現したこと: 2025年11月に、各部長で構成する「気候危機対策会議」で、気候変動への適応が全庁的課題であるとの認識が共有され、各部署が取り組む適応策に関する全庁調査が初めて実施された。 その結果を踏まえ、今後の具体的な適応策の検討が進められている。 今後のアクション: 区内でも、熱中症や豪雨被害に限らず、夏季の屋外活動の制限、農作物の収穫量減少、工期延伸や設計見直しなど、すでに様々な影響が出ている。 将来の影響予測も踏まえ、早急な対策が講じられるよう、今後も各分野で提案を重ねていく。 ==================== コラム 議会外の活動1 調査活動 ==================== 年4回の定例会を中心に、議会質問を通して政策提案を行ったり、多様な視点で区政をチェックしたりすることは、区議会の大事な仕事の一つです。 そのために、さまざまな区政課題について日頃から入念なリサーチを行います。 知りたいデータがないこともよくあります。そんな時、議員は行政に対して資料請求を行ってデータをつくらせたり、自ら調査票を設計して行政運営の実態を調べたりします。 また、実際に現場を見て確認し、地域住民の声を聞くことも大事な調査活動の一環です。 こうして徹底的に調べることで見えてきた「課題」に対し、どうやって「制度(仕組み)」を変えたら解決できるのか、いろんな人と一緒に考えていきます。 これまで行った調査の結果は一部ノートでも公開しています。 ==================== コラム 議会外の活動2 草の根の民主主義を耕す ==================== 傍聴を呼びかけ、情報発信をし、街頭で話し、区政対話の場を開き、議員インターンを受け入れ、地域の市民や運動をつないでいく。こうした活動は、一見すると制度の外にあるようでいて、実は民主主義の基盤そのものです。 政治を「どこか遠いもの」や「誰かにお任せするもの」ではなく、わたしたちのくらしを良くするための道具として使ってもらえるようにすることも、議員の大切な仕事だと考えています。 ==================== コラム 議会外の活動3 先進事例の視察 ==================== 議会が閉会中の期間は、議員にとって絶好の視察の機会です。政策立案をする際に、他自治体等での先進事例はとても参考になります。比較対象となるのは、人口規模や財政、地理的条件、産業構造等が似ている類似自治体が一般的です。 しかし、国内を見渡しても参考にできる事例がない場合は、海外の知見を積極的に取り入れることも有効です。2026年春、一般社団法人ソウレッジが主催する海外視察プログラム「SowLinks」に参加し、フランスとオランダにおける包括的性教育と、性の健康をめぐる公的支援について学びました。その成果は、2026年6月定例会の一般質問に活かしました。 視察報告会の様子はおのみずきユーチューブチャンネルで公開しています。 ==================== 用語の説明 ==================== 包括的性教育: こどもが自分と他者を大切にしながら生きていくために、体や性、関係性などについて、年齢や発達段階に応じて継続的に学ぶ教育。 SRHR(性と生殖に関する健康と権利): 誰もが自分の体や性について必要な情報を得て、自ら選択し、その選択を支える医療や支援を受けながら健康に生きるための基本的人権。 ==================== 寄付のお願い ==================== 生活者ネットワークの活動は、カンパとボランティアで支えられています。 カンパは1口1,000円から、いくらでも、いつでも受け付けています。 ゆうちょ銀行 世田谷・生活者ネットワーク 記号: 00110-1-765709 店名: 019 当座: 0765709 注: 政治資金規正法により政治団体への匿名カンパは禁止されています。振込の際には、住所、名前、職業の明記または別途連絡をお願いします。 ==================== 問い合わせ先 ==================== 世田谷・生活者ネットワーク 電話: 03-3420-0737 ホームページからもお問い合わせいただけます。